影送り

影送り

 

秋はスイスイ歩く スイスイ行ける
その分飯もいける あぁ調子良いわ

たまの雨ならば こころ潤う
どんな頼みでも 引き受けたくなる

嬉しそうに笑う顔 やっぱり良いわ
高い空に影送り

 

夏を繰り返し 見失いもした
どこで誰と何食っても どうだってよかった

晴れを繰り返し うんざりもした
真っ直ぐは時として 狭いと感じた

零れ落ちた涙 言葉かけられず
青い空に影送り

 

影送りやろうよと 手を繋いだ
ゆっくり10秒間 黙って手を繋いだ

 

 

春は待ち遠しいのに 記憶に残らず
鬱々とした朝 切り拓く感じ

霞んだ空気と 別れと出逢い
今はどこでも誰とも 上手くやれている

嬉しそうに笑う顔 ぽっかり浮かぶ
淡い空に影送り

 

冬の訪れを 心底嫌った
痩せっぽちのボクは ぬくもりを欲した

たまの雪ならば こころ浮かれた
南天の実を 二つだけちぎった

キミの気持が 同じな気がした
遠い空に影送り

 

影送りやろうよと 手を繋いだ
ゆっくり10秒間 黙って手を繋いだ

 

空に浮かべた一つの白い影
じんわり溶けて消えていく
それから二人は少しだけ目を閉じて
同じ一歩を踏み出した

 

 

 

詞 青琴野カズ

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