淡色日傘の風来坊

淡色日傘の風来坊

 

侍になって傘差して
ゆらりゆらりと夏の道
陽炎も揺れる石の道
歪んでいるのは魂か

 

積乱雲の青の空
背中を突き刺すお天道は
夕日と言うには白すぎて
しかめてみるのは幸福か

 

いつの間にやら夢の街
帰りの道を見失い
柳をくわえて風切って
冷たいビールを掴み取る

 

大手を振って傘差して
ふらりふらりと夏の道
遠く轟く黒い雲
濡れてゆくのも趣か

 

変わりゆくゆく天気やら
変わりゆくゆく季節やら
変わりゆくゆく時代やら
変わらないのは魂か

 

いつの間にやら夢の街
どの道行こうが遠回り
呑んで呑まれて見る空は
またこの道を指し示す

 

侍になって傘差して
ゆらりゆらりと夏の道
陽炎も揺れる石の道
行く道はしばしこの道か

 

ゆらりゆらりと夏の道

 

 

 

詞 青琴野カズ

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